この町の夏 #01

 

この町に来てから10年あまりが過ぎ、これがこの町で過ごす最後の夏となった。
平凡に、そして確実に時を刻みながら何度も通り過ぎていった季節。
その断片を記録として綴っていく。

佃小橋

一昨年だったか、アニメ「3月のライオン」を見たら、佃界隈を久しぶりに歩いてみたくなり、何度か訪れてみた。

佃小橋の上に最後に立ったのはおそらく10年以上前のこと。初めてこの光景を目にしたときには、青空をバックにそびえるリバーシティに違和感と少しの嫌悪感を覚えたように記憶している。こうしてそれなりに長い時を経て再訪してみると、そのときの第一印象はほとんど消え去り、代わりに抱いたのはある種の懐かしさだった。
時の流れとはそういうものなのか。

平日の昼下がりのこの界隈は本当に静かで、時が止まったかのようだった。

フルサイズ換算40mmのレンズでは、可能な限り引いて撮っても、水面への映り込みを含めたマンション群の全景は入らない。もちろん縦構図でも撮ったけれど、横構図が好きなのでこちらを掲載。

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